スペイン語の「不定詞」とは?わかりやすく解説します!

スペイン語の「不定詞」の種類や使い方を例文と合わせながら解説します。

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スペイン語の「不定詞」とは

不定詞とは「動詞の原形」を指し、辞書の見出し語として使われる語形です。
活用せずに主語の人称や性数などに限定されないことから不定詞といいます。

スペイン語の不定詞は、動詞の語尾が「-ar」「-er」「-ir」の3種類があります。それぞれ「AR動詞」「ER動詞」「IR動詞」と呼ばれます。

不定詞の種類AR動詞ER動詞IR動詞
語尾-ar-er-ir
不定詞の例PensarLeerVenir

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スペイン語の「不定詞」の働き

スペイン語の「不定詞」には主に次の働きがあります。

  • 主語(sustantivo)として使われる
  • 補語(complemento)として使われる
  • 修飾語(modificador)として使われる
  • 前置詞の後に使われる(preposición + 不定詞)
  • 助動詞の後(verbo auxiliar + 不定詞)や動詞の迂言法(perífrasis verbal)で使われる
  • 命令(imperativo)を示す

スペイン語の「不定詞」の種類

スペイン語の不定詞には、動詞の原形が単一で使われる基本形(infinitivo simple)と、助動詞「haber」とともに使われる完了形(複合不定詞)(infinitivo compuesto)があります。

スペイン語の不定詞の基本形

一般的な「動詞の原形」を指します。

不定詞例文
PensarTienes suficiente tiempo para pensar.
(考える時間は十分にあるよ)
LeerDebes leer este libro.
(この本を読むべきだよ)
Venirpuedes venir cuando quieras.
(いつでも来ていいよ)

スペイン語の完了形(複合不定詞)

助動詞「haber」と過去分詞を複合して完了形を表すときに使います。「haber」が不定詞で使われる場合のみ複合不定詞とよびます。

複合不定詞例文
Haber pensadoDeberías haber pensado hace tiempo.
(もっと前に考えておくべきだったね)
Haber tenidoTendría que haber leído muchos libros.
(たくさんの本を読んでおかなければいけなかった)
Haber venidoGracias por haber venido.
(来てくれてありがとう)

スペイン語の「不定詞」の使い方と例文

スペイン語の不定詞にはさまざまな用法があります。ただし、性数(男性形・女性形・単数・複数)や人称(一人称・二人称・三人称)変化はありません。

不定詞を「主語」として使う

動詞の不定詞を名詞として使います。多くの場合、「~することは」という意味で用いられ、主語としての働きをします。

例文
Visitar ese país es mi sueño.
(その国を訪れることは私の夢だ)
Escribir poesía es mi pasatiempo.
(詩を書くことは私の気晴らしだ)
Estudiar es muy importante para nosotros.
勉強することは私たちにとってとても大切なことだ)
Mentir no servirá de nada
嘘をつくことは何の役にも立たない)
Escapar no solucionará el problema.
逃げることは問題解決にはならない)
Nadar es bueno para la salud.
泳ぐことは健康にいい)

不定詞を「補語」として使う

動詞の不定詞を直接補語、間接補語、状況補語、叙述補語として使います。

  • 直接補語(Complemento directo)
例文
Me gusta viajar en el tren.
(電車で旅行することが好きだ)
Mi único objetivo es terminar la carrera universitaria.
(私の唯一の目標は専門課程を終えることだ)
Pedro necesita estudiar la matemática.
(ペドロは数学を勉強する必要がある)
  • 間接補語(Complemento indirecto)
例文
Me alegro de verte después de tanto timepo.
(久しぶりに君に会えてうれしいよ)
Lo que esperaba era tener una oportunidad.
(期待してたことはチャンスを得ることだった)
Espero llegar a la reunión.
(会議に間に合うことを願う)
  • 状況補語(Complemento circunstancial)
例文
Me arrepentí al darme cuenta de todo.
(すべてに気が付いたとき、後悔した)
Se frustró por no saber la respuesta.
(彼は答えを知らないことに苛立った)
No actúes sin pensar.
(考えずに行動するな)
  • 叙述補語(Complemento predicativo)
例文
Lo vimos volver muy agotado.
(彼が疲弊して帰るのをみた)
Vimos al joven salir temprano.
(私たちは若者が早くに出て行くのを見た)
Escuché a José llorar.
(ホセが泣くのを聞いた)

不定詞を「修飾語」として使う

動詞の不定詞を名詞、形容詞、または副詞の修飾語として使います。

  • 名詞の修飾語(Modificador de un sustantivo)
例文
Disfrutemos del placer de vivir en paz.
(平和に生きることの喜びを享受しよう)
No entiendo tu manera de pensar.
(君の考え方が理解できない)
La mejor forma de aprender es imitando.
(学ぶための最良の方法は真似することだ)
  • 形容詞の修飾語(Modificador de un adjetivo)
例文
Eres capaz de desarrollar este proyecto.
(君はこのプロジェクトを実行する能力がある)
Eete ejercicio es fácil de resolver.
(この練習問題は簡単に解くことができる)
Es difícil imaginar lo que te sientes.
(君が思っていることを想像するのは困難だ)
  • 副詞の修飾語(Modificador de un adverbio)
例文
Él habló antes de pensar.
(彼は考える前に話した)
Cepillen los dientes después de comer.
(食べた後は歯を磨きなさい)
Estamos cerca de lograr el objetivo.
(私たちは目標達成に近づいている)

不定詞を「前置詞」の後に使う

前置詞「a, ante, bajo, con, contra, de, desde, durante, en, entre, hacia, hasta, mediante, para, por, según, sin, sobre, tras」などの後に動詞の不定詞を使います。

例文
Marta usa anteojos para leer.
(マルタは読むのにメガネを使う)
Recibí un premio por participar.
(参加賞をもらった)
María se fue sin decir adiós.
(マリアはさよならを言わずに行ってしまった)
Sueño con viajar por todo el mundo.
(世界中を旅することを夢見ている)
Estoy harto de escuchar tus quejas.
(君の苦情を聞くのにうんざりしているよ)
Mi amigo me ayuda a pasar el examen.
(友達はテストに受かるために助けてくれる)

不定詞を「助動詞」の後や「迂言法」に使う

動詞の不定詞を助動詞(動詞と同じような形態を持つが、他の動詞と結びついて意味をつくる)や動詞の迂言法(複数の動詞を組み合わせてつくる表現)として使います。

  • 義務を示す
助動詞例文
deber + 不定詞Debe cumplir lo prometido.
(約束は守らなければならない)
haber de + 不定詞ha de esforzarse más.
(もっと努力するべきだ)
haber que + 不定詞Hay que decir siempre la verdad.
(いつでも本当の事を言わなければならない)
tener que + 不定詞Tengo que hacer la tarea.
(宿題をしなければならない)
  • 可能性・能力・許可を示す
助動詞例文
deber de + 不定詞(可能性)El microbús debe de llegar alrededor de las 10.
(電車は10時ごろ着くはずだ)
poder + 不定詞(能力・許可)Puedo bailar salsa.
(サルサを踊ることができるよ)
Puedes entrar a la oficina.
(オフィスに入っていいよ)
  • 動作の始まりを示す
助動詞例文
ir a + 不定詞Voy a almorzar.
(これから昼食をとる)
empezar a (por) + 不定詞Empezó a llover.
(雨が降り始めた)
comenzar a (por) + 不定詞Los niños comenzaron a jugar.
(子どもたちは遊び始めた)
estar por + 不定詞El tren está por partir.
(電車は発車するところだ)
estar a punto de + 不定詞La película está a punto de comenzar.
(映画はちょうど始まるところだ)
ponerse a + 不定詞Me pongo a estudiar ahora.
(今から勉強をしはじめる)
  • 動作の進展を示す
acostumbrar a + 不定詞Juan todavía no se acostumbra a vivir en Japón.
(フアンはまだ日本に住むことに慣れていない)
soler + 不定詞Alan solía jugar al fútbol antes.
(アランは昔よくサッカーをしていた)
volver a + 不定詞El año pasado volvimos a visitar Barcelona.
(去年バルセロナを再訪問した)
  • 動作の終わりを示す
acabar de + 不定詞Acabo de llegar a la casa.
(家に着いたばかりだ)
dejar de + 不定詞Mañana dejo de fumar.
(明日たばこを吸うのをやめるよ)
lograr + 不定詞No logramos resolver el problema.
(問題解決を達成できなかった)
llegar a + 不定詞Estoy seguro que él llega a ser un buen ingeniero.
(彼は良いエンジニアになるはずだと確信している)
terminar de (por) + 不定詞nunca termino de comprenderlo.
(決して彼のことは理解できない)
parar de + 不定詞Ella no para de hablar.
(彼女は話しが止まらない)
  • その他
acordarse de + 不定詞Acuérdate de llamarme mañana.
(明日私に電話するのを忘れないでね)
aprender a + 不定詞¿Dónde aprendiste a cocinar?
(どこで料理を学んだの?)
ayudar a + 不定詞Mi hijo me ayuda a limpiar la casa.
(息子は家の掃除の手伝いをしてくれる)
enseñar a + 不定詞Mi madre me enseñó a tejer.
(母が編み物を教えてくれた)
necesita + 不定詞Él necesita descansar más.
(彼はもっと休むことが必要だ)
negarse a + 不定詞Lopez se negó a pagar el recargo.
(ロペスは追加料金の支払いを断った)
olvidarse de + 不定詞No se olviden de traer los utensilios.
(筆記用具を忘れないでください)
preferir + 不定詞yo prefiero leer a ver televisión.
(私はテレビを見るより読書する方を好む)
quedar en + 不定詞Quedamos en vernos pronto.
(私たちはすぐに会うことにした)
querer + 不定詞Quiero ir a la playa este verano.
(今年の夏はビーチへ行きたい)
pensar + 不定詞pensamos ir a Europa en las vacaciones.
(私たちは休暇でヨーロッパへ行くつもりだ)
saber + 不定詞Ana sabe escribir el alfabeto griego.
(アナはギリシャ文字の書き方を知っている)
soñar con + 不定詞Pedro sueña con visitar Japón.
(ペドロは日本を訪れるのを夢に見ている)
tratar de + 不定詞Mi padre trata de concenverme.
(父は私を納得させようとしている)

不定詞を「命令形」として使う

動詞の不定詞を命令、禁止、指示を表す場合に使います。

  • 命令を示す
¡A trabajar ahora mismo!
(今すぐ仕事にとりかかりなさい!)
¡Niños, a dormir ya!
(子どもたち、もう寝なさい!)
¡A callar!
(黙りなさい!)
  • 禁止を示す
No fumar en esta área.
(このエリアは喫煙しないでください)
No entrar con zapatos.
(土足で入らないでください)
No abrir la ventana.
(窓を開けないでください)
  • 指示(忠告)を示す
En caso de incendio, utilizar la escalera.
(火事の場合、階段をつかってください)
Golpear la puerta antes de entrar.
(入室する前にドアをノックしてください)
Tirar la basura en las papeleras.
(ごみはごみ箱へ捨ててください)

まとめ

スペイン語の不定詞についてまとめました。不定詞の使い方は多様で、ここで紹介したのはその一部となります。一般的な、「前置詞+不定詞」「助動詞」「動詞の迂言法」は覚えておきましょう。