スペイン語の最上級「1番~だ」「もっとも~だ」の使い方を例文付きで解説します。
目次
スペイン語の「最上級」とは
最上級とは、形容詞・副詞・名詞で表現される内容について「ABCD…の中でAがいちばん~だ」のように、「程度や度合いが他のどれと比べても最も甚だしい」ことを表現するための文法のことをいいます。最大級の表現を使うことで「いちばん~だ」「もっとも~だ」といった事柄が表現できます。
スペイン語の最大級は、大まかに「相対最上級」「絶対最上級」に分けられます。また、相対最上級は「形容詞の最上級」と「副詞の最上級」に使い分けられます。
また、比較級とは、形容詞、副詞、または名詞で表現される内容について「AよりBのほうが~だ」のように「他と比べた場合の程度の違い」を表現するための文法のことをいいます。比較表現を使うことで「より~だ」「もっと~だ」といった事柄が表現できます。
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スペイン語の「相対最上級」の使い方
相対最上級とは、「最も~だ」「いちばん~だ」などと、優れていることでも劣っていることでも、他と比べて甚だしいことを表すために使われます。形容詞の比較級が用いられる場合と、副詞の比較級が用いられる場合があります。
スペイン語の「形容詞の最上級」
「ABCD…の中でAが最も優れている(劣っている)」などを表します。基本的な形容詞の最上級の構文は次の通りです。
- 定冠詞 + (名詞) + más(menos) + 形容詞 + de(en・entre)
例:El actor más famoso del mundo.(世界で最も有名な俳優)
そして、形容詞の最上級の文全体の構成は次の通りです。
・優等比較級の場合
「主語(比較元) + 動詞 ser + 定冠詞 + (名詞) + más + 形容詞(どのように優れているか) + de + 名詞(比較範囲)」となります。
・劣等比較級の場合
「主語(比較元) + 動詞 ser + 定冠詞 + (名詞) + menos + 形容詞(どのように劣っているか) + de + 名詞(比較範囲)」となります。
スペイン語の「副詞の最上級」
ある動作や行動に対して、ABCD…の中でAが最も優れている(劣っている)」などを表します。基本的な副詞の最上級の構文は次の通りです。
- 定冠詞 + (名詞)+ que + 動詞 + 副詞の比較級 + de(en・entre)
例:La que conduce mejor de la familia.(家族で最も上手に運転する)
そして、副詞の最上級を使った基本的な文全体の構成は次の通りです。
・優等比較級の場合
「主語(比較元) + 動詞 ser + 定冠詞 + (名詞)+ 関係代名詞 + 副詞の比較級(どのように優れているか) + de + 名詞(比較範囲)」となります。
・劣等比較級の場合
「主語(比較元) + 動詞 ser + 定冠詞 + (名詞)+ 関係代名詞 + 副詞の比較級(どのように劣っているか) + de + 名詞(比較範囲)」となります。
スペイン語の「絶対最上級」の使い方
絶対最上級とは、他と比べるのではなく、形容詞の語尾を変化させて「とても~だ」「非常に~だ」のように強調させるために使います。相対最上級のように比較対象は必要ありません。
形容詞を強調させるためには、3つの方法があります。
1.程度を表す副詞を使う
・muy(とても)
・sumamente(極めて)
・extremadamente(極度に)
・remalmente(本当に)
2.程度を表す接頭辞を使う
・super-(超)
・extra-(規格外の)
・hiper-(超越した)
・ultra-(極度の)
3.最上級を表す接尾辞を使う
・-ísimo(男性形単数)
・-ísima(女性形単数)
・-ísimos(男性形複数)
・-ísimas(女性形複数)
ここでは、接尾辞を使った絶対最上級の使い方を解説します。
スペイン語の「絶対最上級・ -ísimo」の作り方
形容詞の語尾に「-ísimo/a」を付け加えて絶対最上級の形容詞を作ります。形容詞に合わせて性(男性形・女性形)や数(単数形・複数形)が変化します。
絶対最上級 | 男性形 | 女性形 |
単数形 | 形容詞 + –ísimo | 形容詞 + -ísima |
複数形 | 形容詞 + –ísimos | 形容詞 + –ísimas |
絶対最上級を作る主な規則は次の通りです。
1.母音で終わる形容詞は、その母音を取って「-ísimo」を付け加えます。
例:形容詞 / 絶対最上級
・baja / bajísima(低い / とても低い)
・grande / grandísimo(大きい / とても大きい)
・caro / carísimo(高い / とても高い)
2.子音で終わる形容詞には、そのまま「-ísimo」を付け加えます。
例:形容詞 / 絶対最上級
・fácil / facilísimo(容易な / とても容易な)
・difícil / dificilísimo(難しい / とても難しい)
・débil / debilísimo(弱い / とても弱い)
3.ca, co ,ga, go, zで終わる形容詞は、綴りが規則に従って変化します。
例:形容詞 / 絶対最上級
・rica / riquísima(裕福な / とても裕福な)
・simpático / simpatiquísimo(感じのよい / とても感じのよい)
・vago / vaguísimo(あいまいな / とてもあいまいな)
・largo / larguísimo(長い / とても長い)
・feliz / felicísimo(幸福な / とても幸福な)
・veloz / velocísima(速い / とても速い)
スペイン語の「絶対最上級」の不規則形
絶対最上級には不規則形が数多く存在します。不規則形の中にも例外や文語と口語の違いなどがあるため非常に覚えにくいですが、一定の不規則形のルールがあります。
1.「-ble」で終わる形容詞は、語尾の「-ble」を「bilísimo」に置き換えます。
例:形容詞 / 絶対最上級
・respetable / restabilísimo(尊敬すべき / とても尊敬すべき)
・sensible / sensibilísimo(敏感な / とても敏感な)
2.「-n」で終わる形容詞は、「c」を間にいれます。
例:形容詞 / 絶対最上級
・joven / jovencísimo(若い / とても若い)
3.二重母音「ie」は「e」になります。
例:形容詞 / 絶対最上級
・caliente / calentísimo(熱い / とても熱い)
・cierto / certísimo(確実な / とても確実な)
4.二重母音「ue」は「o」になります。
例:形容詞 / 絶対最上級
・fuerte / fortísimo(強い / とても強い)
・nuevo / novísimo(新しい / とても新しい)
5.次の形容詞などは「-érrimo」を付け加えます。
例:形容詞 / 絶対最上級
・mísero / misérrimo(貧しい / とても貧しい)
・áspero / aspérrimo(ざらざらした / とてもざらざらした)
・pobre / paupèrrimo(貧しい / とても貧しい)
・libre / libérrimo(自由な / とても自由な)
6.次の形容詞などはラテン語の形で不規則に変化します。
例:形容詞 / 絶対最上級
・cruel / crudelísimo(残酷な / とても残酷な)
・fiel / fidelísimo(忠実な / とても忠実な)
・sabio / sapiententísimo(賢明な / とても賢明な)
・antiguo / antiquísimo(昔の / とても昔の)
特殊な絶対最上級
形容詞の絶対最上級には比較級と同様に不規則形の例外があります。
形容詞 | 比較級 | 絶対最上級 |
Bueno(良い) | Mejor(より良い) | Óptimo(最良の) |
Malo(悪い) | Peor(より悪い) | Pésimo(最悪の) |
Grande(大きい) | Mayor(より大きい) | Máximo(最大の) |
Pequeño(小さい) | Menor(より小さい) | Mínimo(最小の) |
Alto(高い) | Superior(より高い) | Supremo(最高の) |
Bajo(低い) | Inferior(より低い) | Ínfimo(最低の) |
スペイン語の「最上級」の例文
スペイン語の最上級では、比べる対象があるものが相対最上級、比べる対象がないものが絶対最上級となります。
スペイン語の「相対最上級-形容詞」の例文
形容詞の相対最上級は、ある物事の性質や状態が他と比べてどのように優れているか(劣っているか)を示します。
例:
・El avión es el vehículo más rápido de la actualidad.(飛行機は現在最も速い乗り物だ)
・Este museo es el más antiguo de la ciudad.(この博物館は町で一番古い)
・Él es el mejor director de cine de todos los tiempos.(彼はこれまでで最も優秀な映画監督だ)
・Pedro es el alumno más destacado de su clase.(ペドロはクラスで最も傑出した生徒だ)
・Ésta es la obra menos conocida de su carrera.(これは彼のキャリアで最も無名の作品だ)
・Este libro es el menos interesante de los que tengo(この本は持っている中で一番面白くない本だ)
スペイン語の「相対最上級-副詞」の例文
形容詞の相対最上級は、ある動作の性質や状態が他と比べてどのように優れているか(劣っているか)を示します。
例:
・Luis es el que corre más rápido de la clase.(ルイスはで一番クラス速く走る)
・El Águila es el que salta más alto los animales.(鷲は動物の中で一番高く飛ぶ)
・Ella fue la que bailó más lindo del concurso.(彼女はコンクールで一番見事に踊った)
・Ellos son los que mejor juegan del equipo.(彼らはチームで最も上手にプレーする)
・Ana es la que vive más lejos entre los colegas. (アナは同僚の中で最も遠くに住んでいる)
・Pepe es el que peor se comporta en la escuela.(ペペは学校で一番悪い振る舞いをする)
スペイン語の「絶対最上級」の例文
形容詞の絶対最上級は、ある物事や動作の性質や状態が他と比べずにどのように優れているか(劣っているか)を示します。
例:
・Esa flor es bellísima.(その花はとても美しい)
・Este coche es carísimo.(この車は非常に高い)
・Rosa es una persona amabilísima.(ローサはとても親切な人だ)
・Yo canto pésimo.(私は歌がひどく下手だ)
・Introduzca mínmo 8 caracteres.(最小8文字入力してください)
・El Tribunal supremo negó el recurso de apelación(最高裁判所は控訴を拒否した)
まとめ
スペイン語の最上級についてまとめました。相対最上級をつくるときに忘れてはいけないのは、定冠詞が入ることです。定冠詞がなければ、「~の中で1番」という文が伝わらないので注意しましょう。絶対最上級は「-ísimo」は「muy」と同じ意味ですが、特に感情を込めて強調したいときに使うのが効果的です。
最上級が使えるようになれば比較や強調がより具体的にできるので、文章の質が一気に上がります。