【体験談】全国通訳案内士試験スペイン語合格のポイント!

体験談とスペイン語試験対策を紹介します。
2021年度全国通訳案内士試験を受けてきました。試験の難易度の高さ、合格率の低さなどを考慮しても1回で合格するのは厳しいとわかっていたので、まずは試験の様子見という気持ちで受けました。

結果は、やはり不合格。試験日から1カ月半後、結果通知がありました。

全国通訳案内士試験 結果

全国通訳案内士試験の合格基準点は原則として100点満点中70点、「一般常識」と「通訳案内の実務」は50点満点中30点です。
外国語(スペイン語)は合格でしたが、それ以外の科目は全て不合格、自己採点でも50%も満たしていない厳しい結果になりました。

ここでは、スペイン語試験についての紹介します。

通訳案内士試験「スペイン語」の難易度

全国通訳案内士試験ではDELE C1以上、またはスペイン語技能検定1級の保持者は試験免除の対象となります。

しかし、実際に比較してみるとDELEではB2レベル、スペイン語技能検定(西検)では2級レベルぐらいです。なのでDELE C1レベルの語彙力、スペイン語技能検定1級レベルの翻訳力は必要ないです。

また、試験時間は90分、問題数は25問で選択形式なので時間には相当余裕はあります。試験に慣れている人なら30分以上残して全て解答できると思います。

通訳案内士試験「スペイン語」の出題傾向

当たり前ですが、通訳案内士になるための試験なので日本の文化、歴史、観光、伝統、芸術など日本に関連する内容のみがテーマになります。問題は大きく4つに構成されていて、それぞれの問題に関連する問いが枝分かれして問題が出題されるという形です。

2021年度試験の出題は以下の通りでした。

問題1 書道教室についての文章(40点)
1-1
穴埋め問題(日本語)
1-2
穴埋め問題(スペイン語の前置詞)
1-3
下線部の単語の内容に一致する最も適切な文を選ぶ
1-4
記述されたスペイン語文を適切な位置に入れる
1-5
文章について適切ではない記述を選ぶ

問題2 教育におけるスポーツの価値についての文章(20点)
2-1~2-4
スペイン語書かれた文章を日本語に翻訳する

問題3 旅行中のあらゆる状況下での通訳案内(20点)
3-1~3-4
日本語の文章をスペイン語に翻訳する(適切な言葉遣いを用いて端的に表現する)

問題4 日本の食、観光、伝統行事、などについての説明(20点)
4-1~4-4
日本のある事柄についてスペイン語で説明する場合に適切な文を選ぶ

通訳案内士試験「スペイン語」の対策

問題1

長文ですが、シンプルな構成で読みやすい文章です。

複雑な表現、難しい単語はありません。穴埋め問題だけで10問、合計25点の配点があるので比較的楽な穴埋め問題で点を稼ぎたいところです。前置詞が苦手な人はしっかり勉強しておいたほうがいいかもしれません。

それ以外の問題は文章の読解ができていれば解答できます。時間はたっぷりあるので、文章じっくり2回読んで、文章の全体像をとらえられれば平気です。


問題2

中文で、内容は濃いです。情報量が多いのと、テーマが複雑なので読解するのに少し苦労します。ただ、翻訳問題なので文章全てを完璧に理解する必要はありません。

解答は4択なんですが、選択肢の2つ同士が類似しているので消去法でなんとか2択までは絞れます。そこからは何度も読み返して適切な選択肢を導き出すのですが、キーワードに限って難しい単語で知らなかったりします。

そこでヒントになるのが下線部の前後の文章です。下線部の翻訳部分に集中しすぎるとますます混乱するので、前後の文章もしっかり読んで前後関係を理解すれば、知らない単語があったとしても正しい選択肢を選ぶことができます。

問題3

単純な日本語の短文で、翻訳するのはとても簡単です。

しかし、ここで問われているのは状況に合った適切な表現な仕方です。ただ伝わればいいわけではなく、「いつ、どこで、誰に、どんな目的」では話すのかを考慮したうえで正しい言葉遣いができなければいけません。

どの選択肢が正しいかを選ぼうとして解いていくと、結局選択肢全て正しいように見えてしまって振り出しに戻ってしまうので、はじめから間違い探しをしながら解いていくと、前置詞がおかしかったり、動詞の活用が間違っていたり、表現の仕方が不自然だったりしていることに気が付きます。

問題4

スペイン語の知識だけで解ける問題ではありません。

例えば、「マイクロツーリズムについて説明する場合、適しているものを選びなさい」という問題で、マイクロツーリズムが何かわからなければどうしようもないですし、「第3のビール」について問われた場合、第3のビールの意味、製造方法、成分などがわからなければ正解できないような問題になっています。

その2つは実際に出題された問題で、答えられませんでした。このパートは4問で合計20点の配点なので、高得点を失わないためにも日ごろから日本の時事を勉強しておくことが必要です。

通訳案内士試験「スペイン語」の勉強方法

この試験の中心である、翻訳・通訳を上達させるためには、とにかくスペイン語の文章にたくさん触れることです。特に日本に関連する事の語彙力を高めることが必要です。

まず、スペイン語で書かれた日本のオンライン新聞を毎日読むことで、スペイン語能力がかなり上がります。日本の時事も勉強できて一石二鳥です。

Notícias Nippon(ジャパンニュース・オンライン新聞)

Notícias Nippon

まとめ

全国通訳案内士試験のスペイン語における、難易度、出題傾向、ヒントについて独自の目線から紹介しました。

DELEやスペイン語技能検定(西検)と比べて、易しい試験になっています。大きな違いは、全国通訳案内士スペイン語試験は日本における通訳案内業務に特化しているということです。

難しい単語を丸暗記したり、長い作文が上手に書ける必要はありません。訪日した外国人が観光する際にどれだけ通訳として能力を発揮できるか、それが問われています。