スペイン語の名詞には「冠詞」がつきます。冠詞にも種類がありますが、「定冠詞」は最も一般的でよく使われるので、規則や使い方を確認しておきましょう。
目次
スペイン語の冠詞とは
冠詞は、スペイン語で “El artículo” といい、品詞の1つです。名詞に結びついて、数・性・格などを示します。
スペイン語の冠詞は、「定冠詞」と「不定冠詞」「無冠詞」に分けられます。
- 定冠詞(el, la, los, las)=名詞が特定できるもの
- 不定冠詞(un, una, unos, unas)=名詞が特定できないもの
- 無冠詞=冠詞がつかない名詞
その中で、「定冠詞」には「中性定冠詞」という冠詞が含まれます。
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スペイン語の「定冠詞」
スペイン語で定冠詞は、”Los artículos definidos”といい、El amigo” 、”Los amigos“、 “La casa“、”Las casas“など、名詞の前には「定冠詞」がつきます。
英語の冠詞と違って、スペイン語の冠詞には「男性形 / 女性形」や「単数形 / 複数形」があり、名詞の種類によって使い分ける必要があります。
定冠詞の使い方は、話し手と聞き手が対象となる名詞を特定できるもの名詞の前に、修飾する名詞の性と数に合わせてつけます。
例えば、「El profesor me felicitó(先生が褒めてくれた)」という文では、「El profesor(先生)」は、「例の先生」という意味になり、文のニュアンスは「例の先生が褒めてくれた」となります。この場合、話し手も聞き手も人物を特定し、イメージを共有できているので「定冠詞」となります。
スペイン語の「定冠詞」の規則
スペイン語の定冠詞は、男性名詞では「El(単数形)、Los(複数形)」、女性名詞では「La(単数形)、Las(複数形)」となります。
例)単数形 / 複数形
・El libro / Los libros(1冊の本・複数の本)
・La mesa / Las mesas(1つの机・複数の机)
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前置詞の「a」と「de」に定冠詞「el」が結びつくと「al」「del」になる
スペイン語の前置詞に「a」と「de」があります。それらの前置詞のあとに定冠詞の「el」がくる場合、前置詞と定冠詞が結合して「al」「del」となります。
例:
・Voy al parque. (公園に行くね)
・Estoy al lado de un árbol.(木の横にいるよ)
・Vengo del futuro.(未来から来たんだ)
・Ese juguete es del perro.(そのおもちゃは犬のだよ)
しかし、冠詞が固有名詞の一部になっている場合は結合しません。
例:
・Voy a El Sanvador.(エル・サルバドルに行く)
・Vengo de El Cairo.(エル・カイロから来た)
強勢のある「a-」または「ha-」で始まる「女性単数名詞」の直前の定冠詞は「el」となる
スペイン語には、「a」または「ha」など「ア」の発音で始まる女性単数名詞があります。
通常なら、女性名詞の定冠詞は「la」ですが、名詞の頭文字の「a」や「ha」に強勢(アクセント)がある場合、女性名詞でも男性形定冠詞「el」を使います。
例えば「agua(水)」という単語は、頭文字の「a」に強勢(アクセント)がある女性単数名詞です。もし定冠詞「la」を使った場合、「la agua」となり、定冠詞の「a」と名詞の頭文字の強勢「a」が被ってしまい、区別が難しくなります。そこで、「agua(水)」は、女性名詞のままですが、男性形定冠詞を使うことになります。
例:
・El agua(水)
・El alma(魂)
・El arma(武器)
・El hacha(斧)
・El hada(妖精)
しかし、「a」や「ha」で始まる女性単数名詞でも、強勢(アクセント)が頭文字にない場合は、女性形定冠詞「la」が使われます。例えば、「harina(小麦粉)」という単語は、強勢(アクセント)が「ha」の位置ではなく「ri」の位置にあるので、女性形定冠詞「la」が使われ、「La harina」となります。
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スペイン語の「定冠詞」の使い方と例文
定冠詞は、「特定できる名詞」につきますが、どのように「特定できる名詞」を区別するのでしょうか。例外は数多くありますが、基本的には次のような基準で決まります。
話し手が「言及する名詞が何を指しているのか」を聞き手が特定できていると判断したときに定冠詞になる
日本語で言うと、「あの~」「その~」「例の~」などに相当します。ただし、日本語に訳す必要はありません。
① それまでの文脈ですでに話題にあがったもの
・Comí una manzana y un mango. La manzana estaba rica.(リンゴとマンゴを食べた。リンゴはおいしかった。)
・Tengo un gato y un perro. El gato se llama Coco y el perro se llama Mateo. (猫と犬を飼っている。猫はココで、犬はマテオという名前だ)
② すでに話題にあがったものに関連するもの
・Compré un telémono móvil, pero la pantalla no prende.(携帯電話を買ったけど、画面がつかない)
・¡Ganamos el partido! Los jugadores jugaron bien.(試合に勝った!選手たちはいいプレーした。)
③ その場面や周囲の状況から特定可能なもの
・¿ A qué hora sale el tren?(何時に電車が出るの?)
・¡Las ventanas están abiertas!(窓開いてるよ!)
④ 話し手と聞き手が共有する事柄から特定可能なもの
・¿Cómo estuvo la película?(映画どうだった?)
・¿Ya llegó la encomienda?(もう荷物届いた?)
⑤ 名詞につく修飾語や関係語によって特定可能なもの
・La casa de mi amigo es grande y limpia.(友達の家は大きくてキレイだ)
・El joven que vi ayer es colombiano.(昨日見た若者はコロンビア人だ)
⑥ 名詞が一般的な総称を表すもの
・Me gusta la música.(音楽が好きだ)
・El deporte es maravillo.(スポーツは素晴らしい)
⑦ 主語となる人の身体の一部や所持するもの
・Me duele el estomago.(胃が痛い)
・Me pongo los guantes.(手袋をつける)
名詞が指すものが、特に証明などをしなくても明らかであるときに定冠詞になる
① 唯一のもの
・Ya ha salido el sol(太陽がもう出た)
・La luna está llena(満月だ)
② 自然現象
・La lluvia de anoche fue muy fuerte(昨晩の雨は非常に強かった)
・Se voló por el viento(風で飛ばされた)
③ 方位
・Okinawa está en el sur de japón(沖縄は日本の南にある)
・Vengo del norte (北から来た)
④ 季節
・Llegó la primavera(春が来た)
・Me gusta el verano(夏が好きだ)
⑤ 曜日
・Voy al gimnasio los viernes(毎週金曜日ジムにいく)
・Salgo hacia París el lunes(月曜日パリに向けて出発する)
⑥ 日にち
・El 10 de febrero(2月10日)
・Mi cumpleaños es el 20 de agosto(私の誕生日は8月20日だ)
⑦ 時刻
・A las nueve(9時)
・Me levanto a las siete(7時に起きる)
⑧ 朝・昼・晩
・Estudio por la noche(夜に勉強する)
・A las 5 de la mañana(朝5時)
⑨ ゲーム・競技
・Juego al fútbol(サッカーをする)
・Jugamos a las cartas(カードゲームをする)
⑩ 総称として人や事柄一般について述べるとき
・Los amigos son para toda la vida(友達は一生ものだ)
・El tiempo pasa volando(時間は飛ぶように早く過ぎていく)
まとめ
スペイン語の冠詞は、日本語にはない品詞なので使い方が難しいかもしれません。名詞には男性形・女性形、そして単数形・複数形があり、それに合わせて冠詞をつけるので、名詞の種類の見分け方も覚える必要があります。定冠詞の規則を例外も含めて全て丸暗記するのは難しいので、「特定できる名詞」の区別の仕方を覚えて、それからは、たくさんの名詞に触れて慣れていくことが大切です。