スペイン語の「過去分詞」とは?わかりやすく解説します!

スペイン語の過去分詞の「作り方」や「使い方」を例文と合わせながら解説します。

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スペイン語の分詞とは

分詞とは、動詞の変化形のひとつで「動詞の形そのもの」を指します。

スペイン語の分詞の種類は2種類あり「現在分詞」と「過去分詞」に分かれますが、「現在」と「過去」という言葉は時制(時間)とは全く関係ありません。現在分詞には「法、時制、人称、数」による形の変化はありませんが、過去分詞には使い方によって性数変化があります。

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スペイン語の過去分詞

スペイン語の「過去分詞」の働きは主に2つあります。

  • 動詞の完了形をつくる(haber + 過去分詞)
  • 形容詞的な働きをする
  • 受動態の表現をつくる(~される)
  • 名詞として使う
  • 動詞と動詞を組み合わせた表現をつくる

*「完了形」以外の過去分詞は性(男性形・女性形)や数(単数形・複数形)の変化があります。

スペイン語の過去分詞の作り方

過去分詞には、規則形と不規則形があります。規則形は語尾だけが規則的に変化しますが、不規則形は語幹と語尾が変化します。

スペイン語の過去分詞の規則形

規則形の変化は、AR動詞では語尾の「-ar」を「-ado」に、ER動詞とIR動詞では語尾の-「er/-ir」を「-ido」に置き換えます。

動詞の種類AR動詞ER動詞IR動詞
語尾adoidoido
amado(amarComido(comerVivido(vivir

*動詞「ser」の過去分詞は「sido」、動詞「ir」の過去分詞は「ido」となります。

スペイン語の過去分詞の不規則形

不規則形には一定のルールはありません。「abrir」「volver」「hacer」 「decir」 「poner」 「ver」 「escribir」「romper」など比較的よく使われる単語は暗記で覚えましょう。

  • 語尾が「-erto」になる
動詞の原形(不定詞)過去分詞✘ 間違い
abrir(開く、開ける)abiertoabrido
cubrir(覆う)cubiertocubrido
descubrir(発見する)descubiertodescubrido
morir(死ぬ)muertomorido
  • 語尾が「-elto」になる
動詞の原形(不定詞)過去分詞✘ 間違い
volver(戻る)vueltovolvido
devolver(返す)devueltodevolvido
resolver(解決する)resueltoresolvido
envolver(包む)envueltoenvuelto
disolver(溶かす)disueltodisolvido
  • 語尾が「-echo」「-icho」になる
動詞の原形(不定詞)過去分詞✘ 間違い
hacer(する、つくる)hechohacido
deshacer(解く、乱す)deshechodeshacido
satisfacer(満足させる)satisfechosatisfacido
decir(言う)dichodecido
contradecir(反対のことを言う)contradichocontradicho
  • 語尾が「-isto」になる
動詞の原形(不定詞)過去分詞✘ 間違い
ver(見る)vistovido
prever(予見する)previstoprevido
  • 語尾が「-puesto」になる
動詞の原形(不定詞)過去分詞✘ 間違い
poner(置く)puestoponido
oponer(対置する)opuestooponido
disponer(配置する)dispuestodisponido
exponer(展示する)expuestoexponido
suponer(仮定する)supuestosuponido
  • 語尾が「-ito (ipto) 」「-oto」になる
動詞の原形(不定詞)過去分詞✘ 間違い
escribir(書く)escritoescribido
suscribir(申し込む)suscri(p)tosuscribido
describir(描写する)descri(p)todescribido
transcribir(書き写す)transcri(p)totranscribido
romper(壊す)rotorompido

スペイン語の二重過去分詞

スペイン語の過去分詞には、規則形(-ado / -ido)と、不規則形の2通りの形を持つ二重過去分詞があります。基本的にはどちらを使っても意味は同じですが、動詞の完了形で使うときは規則形、形容詞的に使うときは不規則形を用いることが多いです。

どちらを使っても意味が変わらない二重過去分詞

次の3つの単語は、規則形、不規則形のどちらの形も使うことができます。

動詞の原形(不定詞)過去分詞(規則形)過去分詞(不規則形)
imprimir(印刷する)imprimidoimpreso
freír(揚げる)freídofrito
proveer(備えつける)proveídoprovisto

完了形は規則形、形容詞型は不規則形を使う二重過去分詞

次の動詞は過去分詞は2種類あり、動詞の完了形(直説法現在完了、直説法過去完了、未来完了、過去未来完了、接続法現在完了、接続法過去完了)として使う場合は規則形、形容詞的に使う場合は不規則形を使います。

例1:corregir
・規則形:Mi profesor de español ya ha corregido los exámenes.
(私のスペイン語の先生はもう試験を採点した

・不規則形:Todos mis ejercicios de español fueron correctos.
(スペイン語の練習問題は正解だった)

例2:despertar
・規則形:El niño se ha despertado muy pronto hoy..
(今日子どもはすぐに起きた

・不規則形:El niño todavía no está despierto.
(子どもはまだ目覚めていない

  • 二重過去分詞一覧(一部)
動詞の原形(不定詞)過去分詞(規則形)過去分詞(不規則形)
abstraer(抽象する)abstraídoabstracto
atender(世話をする)atendidoatento
bendecir(称える)bendecidobendito
concluir(完結させる)concluidoconcluso
confesar(告白する)confesadoconfeso
confundir(混合する)confundidoconfuso
convertir(変換する)convertidoconverso
corregir(訂正する、採点する)corregidocorrecto
corromper(腐敗させる)corrompidocorrupto
despertar(目覚めさせる)despertadodespierto
difundir(まき散らす)difundidodifuso
dividir(分割する)divididodiviso
elegir(選ぶ)elegidoelecto
enjugar(ふき取る)enjugadoenjuto
excluir(追放する)excluidoexcluso
expresar(表現する)expresadoexpreso
eximir(~から免除する)eximidoexento
extender(伸ばす、広げる)extendidoextendo
extinguir(絶滅させる)extinguidoextinto
fijar(固定させる、定める)fijadofijo
hartar(うんざりさせる)hartadoharto
imprimir(印刷する)imprimidoimpreso
incluir(含める)incluidoincluso
insertar(挿入する)insertadoinserto
invertir(投資する)invertidoinverso
juntar(合わせる、集める)juntadojunto
maldecir(呪う)maldecidomaldito
manifestar(表明する)manifestadomanifiesto
nacer(生まれる)nacidonato
omitir(省略する)omitidoomiso
poseer(所有する)poseídoposeso
prender(捕まえる、つける)prendidopreso
presumir(推測する、自慢する)presumidopresunto
recluir(閉じ込める)recluidorecluso
salvar(救う)salvadosalvo
soltar(放す)soltadosuelto
sujetar(留める)sujetadosujeto
suspender(中断する)suspendidosuspenso
teñir(染める)teñidotinto
torcer(ねじる)torcidotuerto

スペイン語の過去分詞の使い方と例文

スペイン語の過去分詞には、完了形を除いてすべてに性数変化があります。主語や修飾する名詞に合わせて「男性形・女性形」、「単数形・複数形」をつくります。

「Haber + 過去分詞」で完了形をつくる

動詞「haber」と過去分詞で動詞の完了形(直説法現在完了、直説法過去完了、未来完了、過去未来完了、接続法現在完了、接続法過去完了)を表します。

例文

He comprado una ropa nueva.
(新しい服を買ったんだ)

・¿Has visto la nueva película de Hayao Miyazaki?
(宮崎駿の新作映画見た?)

・Cuando me llamaste, yo ya había vuelto a casa.
(君が電話した時、私はもう家に戻っていたよ)

・Para esa hora ya habremos llegado a destino.
(その時間にはもう目的地に着いているだろう)

・No Habría enfermado si nos hubiéramos quedado en casa.
(もし家に残っていたら病気しなかっただろう)

・Espero que hayas tenido un buen día.  
(君にとって良い1日だったことを願うよ)

過去分詞を「形容詞」として使う

いくつかの動詞の過去分詞は名詞を修飾して状態や性質を表す品質形容詞としての働きを持っています。

例文

・Los niños están cansados.
(子どもたちは疲れている

・La puerta está abierta.
(ドアが開いている

・encontré un celular roto.
壊れた携帯電話を見つけた)

・Mario es un chico creído.
(マリオは思いあがった少年だ)

・Pedro está dormido.
(ペドロは寝ぼけている

・No se preocupen, que estamos todos a salvo.
(心配しないで、みんな無事だよ)

「受動態(~される)」の文章をつくる

主に動詞「ser」と過去分詞を合わせて「~される」という受動態の表現をつくります。

例文

・El profesor Fernandez es repetado por muchos alumnos.
(フェルナンデス先生は多くの生徒から尊敬されている

・Las revistas fueron imprimidas durante la noche de ayer.
(雑誌は昨晩のうちに印刷された

・Los resultados serán publicados en la página oficial de la universidad.
(結果は大学のオフィシャルページにて公表されます

・Este accidente está siendo investigado por la policía.
(この事故は警察によって調査されている

・Los profesores también fueron invitados a la fiesta de graduación.
(先生たちも卒業パーティーに招待された

・El incendio fue controlado por los bomberos.
(火事は消防士によって制御された

「定冠詞 + 過去分詞」で「名詞」として使う

定冠詞「el, la, los, las」または中性定冠詞「lo」と過去分詞を合わせて、名詞として使います。

例文

・Quédense Los aprobados en el aula.
合格者は教室に残ってください)

・La equivocada eres tu.
間違っている人は君だよ)

・Todo lo hablado en la reunión fue importante.
(集会で話されたことすべてが重要だった)

Lo obtenido con esfuerzo es lo que más se disfruta.
(努力によって得たものは最も享受するものだ)

・Muéstrame lo comprado ayer.
(昨日買ったものを見せて)

Lo prestado se debe devolver.
借りものは返すべきだ)

「動詞 + 過去分詞」で複合的な表現をつくる

複数の動詞を組み合わせてつくる表現を迂言法といいます。過去分詞を使った迂言法も数多くあります。

例文

・Juan viene retrasado por veinte minutos.
(フアンは20分遅れて来る)

Tengo pensado abrir un negocio.
(お店を開こうと考えている)

・El gato se quedó encerrado en la habitación oscura.
(猫は暗い部屋に閉じ込められていた)

Me siento confundida con tanta información.
(情報が多すぎて困惑している)

・José lleva puesto el sombrero.
(ホセは帽子を被っている)

・A pesar de la dificultad, Jorge no se dio por vencido.
(困難にもかかわらず、ホルヘはあきらめなかった)

まとめ

スペイン語の過去分詞について解説しました。「過去」という言葉がついているので過去形の文章にのみ使われると勘違いしがちですが、実際には過去分詞は時制の「過去」とは無関係なので注意が必要です。不規則形や二重過去分詞も数多く存在するので、特によく使う単語の不規則形過去分詞は暗記で覚えましょう。
また、動詞にも関わらず「形容詞」や「名詞」などとしても使われるので、用法をきちんと勉強して過去分詞をマスターしましょう。