DELE B2の試験概要と勉強方法を紹介します。
2018年度DELEB2を受けました。独学で勉強する人必見です。
採点結果はこうでした。
DELE B2はとても難しい試験ですが、しっかりと準備をすれば独学でも合格することができます。リーディングとリスニングは、出題傾向と時間配分を把握すること、ライティングとスピーキングは実践練習を繰り返して慣れることです。
まずは、試験についてしっかり理解しましょう。
≪合わせて読む↑≫
目次
DELE B2を独学で勉強するための資料
インスティトゥト・セルバンテスが公開している試験モデルを解いてみましょう。
そこで大事なのは、本番同様、時間を計測して解答用紙に解答することです。
まずは、DELEB2解答用紙のサンプルをダウンロードします。
解答用紙は、リーディングとリスニングはマークシート形式、ライティングは作文形式です。本番は、「Candidato:」の欄には氏名がすでに記入されています。
ライティングの解答用紙には、小さく「Tarea 1」と「Tarea 2」と記載されているので間違えないようにしましょう。
DELE B2「リーディング」の勉強資料
リーディングは、70分です。
問題数は36問、課題数は4題で、1課題につき約17分時間をとることができます。
60%以上の正解率を最低合格ラインとして、22問以上の正解が必須です。
・2012年のリーディング試験サンプルです。本番を想定して解いてみましょう。
・リーディング試験サンプルの解答です。全問を解いてから、答え合わせしましょう。
DELE B2「リスニング」の勉強資料
リスニングは、40分です。
問題数は30問、課題数は5題で、音声に合わせて解答していきます。各課題後にマークシートに記入する時間が与えられます。
60%以上の正解率を最低合格ラインとして、18問以上の正解が必須です。
・2012年のリスニング試験サンプルです。本番を想定して解いてみましょう 。
・リスニング試験サンプルの音声です。実際の試験と同じ36分弱あります。
・リスニング試験サンプルの解答です。全問題を解いてから、答え合わせしましょう。
DELE B2「ライティング」の勉強資料
ライティングは、80分です。
問題数は2問で、課題数も2題です。
課題1は音声を聴いてから解答し、課題2は2つのオプションから1つ選択し、解答します。
マークシート形式ではないので、試験官の採点となります。 60%以上が最低合格ライン です。
・2012年のライティング試験サンプルです。本番を想定して解いてみましょう。
・ライティング試験サンプルTAREA1の解答例です。あくまで、解答例なので課題が変わればテキストの構成も変わります。
・ライティング試験サンプルTAREA2オプション1の解答例です。あくまで解答例ですが、参考にしてください。
採点基準は、以下の4項目を総合して1~3点で評価します。
- テキストの適合性
- 一貫性
- 文法の正確さ
- スペイン語能力
DELE B2「スピーキング」の勉強資料
スピーキングは、準備時間20分、試験時間20分です。
問題数は3問、課題数も3題です。
マークシート形式ではないので、試験官の採点となります。 60%以上が最低合格ライン です。
・2014年のスピーキング試験サンプルです。自分のスピーチを録音しながら解いてみましょう。
・スピーキング試験サンプル解答例です。自分を録音した音声と比べてください。
採点基準は、以下の4項目を総合して1~3点で評価します。
- 一貫性
- 流暢さ
- 文法の正確さ
- スペイン語能力
DELE B2の採点方法
DELEB2の採点方法です。各科目の正解率を25点満点に換算しています。
・リーディング
計算方法=(正解数x25)÷36
・リスニング
計算方法=(正解数x25)÷30
・ライティング
計算方法=(0~3の評価点x25)÷3
・スピーキング
計算方法=(0~3の評価点x25)÷3
①科目:4科目から2グループに分けて評価します
②各科目最高得点:各科目の最高得点は25点です
③各グループ合計最高得点:各グループ合計の最高得点は50点です
④合格点:各グループの合計得点が30点以上で合格です
全ての科目で60%以上取れれば合格できます。
苦手な分野がある場合は、1つの手段として同じグループに該当する別科目で点を余分に取れればカバーすることができます。例えば、リーディングが10点でもライティングが20点であれば、グループ1は合格です。
DELE B2の勉強方法
独学で勉強する人に向けて、出題傾向を踏まえて、何を重点的に勉強すればいいのか説明します。
DELE B2「リーディング」の勉強方法
リーディングは語彙力の勝負になります。リーディングにおける各課題の語彙数を見ればテキストの複雑さがわかります。
リーディングの各課題の単語数は次の通りです。
TAREA 1 | 400~450単語 |
TAREA 2 | 520~600単語(130~150単語x4テキスト) |
TAREA 3 | 400~450単語 |
TAREA 4 | 400~450単語 |
合計 | 1720~1950単語 |
表のように、リーディングだけで最大1950単語あります。テキストを読解するのに、単語がわからなければ解くことはできません。
しかし、全部わからなくても、80%わかれば読解できます。
読解に慣れてなくても語彙力があれば対処できるので、語彙力をつけましょう。
各課題のテキストジャンルは次の通りです。
TAREA 1 | 公的、専門的な情報テキスト |
TAREA 2 | 個人的、公的な解説、意見、逸話に関するテキスト |
TAREA 3 | 公的、教育的、専門的な意見、ニュース、ディレクターへの手紙、旅行ガイドに関する記事 |
TAREA 4 | 公的、教育的、専門的な文学、歴史、伝記に関するテキスト |
オンライン新聞の記事を読んでわからない単語をメモをしながら覚えていきましょう。
おススメのオンライン新聞はこちら:
オンライン新聞:Libertad Digital
3度同じ記事を読みます。
1度目は、わからない単語もそのままで全文読みます。
2度目は、読みながらわからない単語をメモするのですが、わからない単語全てをメモするわけにはいかないので、1度目読んだときに重要だと思った単語や、見たことはあるけど意味がわからないでいる単語をメモします。
最後に、メモした単語の意味を調べて、改めて全文読みます。
DELE B2「リスニング」の勉強方法
音声に慣れることが何よりも大切です。日常会話や娯楽で使うスペイン語よりもっと専門的なスペイン語を聴き慣れる必要があります。
リスニングの各課題の音声ジャンルは次の通りです。
TAREA 1 | 個人的、公的、教育的、専門的なフォーマル&インフォーマルな会話 |
TAREA 2 | 個人的、公的な2人の会話 |
TAREA 3 | 公的、教育的、専門的なラジオやテレビのインタビュー |
TAREA 4 | 教育的、専門的な評価、意見、アドバイス、経験を語る独白or会話 |
TAREA 5 | 公的、教育的、専門的なプロジェクトや経験を語る会議、スピーチ、独白 |
おススメはラジオやPODCASTを聴くことです。特にインタビューで「educación」や「profesional」について、聞き流しで十分なので習慣的に聞きましょう。
おススメのPODCASTはこちら:
ivoox:https://www.ivoox.com/ 言語をスペイン語に設定して使います。
DELE B2「ライティング」の勉強方法
ライティングは、訂正してくれる人がいなければ間違い直しができないというのが難点です。テキストの構成の基礎を身に着けて、順序立てて書けるようにしましょう。
ライティングの課題は次の通りです。
TAREA 1 | テキストを聞いて、手紙やメールを書く |
TAREA 2 | テキスト、グラフ、または統計データ一覧をもとに、立論、評価、意見を述べるテキストを書く |
ライティングの出題傾向は次の通りです。
TAREA 1 | 個人的、公的、教育的、専門的なニュース、広告、オファー、解説、スポーツ中継 |
TAREA 2 (Opción A) | 環境、メディア、観光、経済、仕事、教育などの公的、教育的、専門的なグラフ、統計データ |
TAREA 2 (Opción B) | 環境、メディア、観光、経済、仕事、教育などの公的、教育的、専門的な新聞記事、ブログ、SNS、または演劇、映画、本の概要 |
テキストの基本構成:
序論 (Introducción):あるテーマで問題を立てる
本論 (Desarrollo):問題ついて論理的・実証的に論述を展開する
結論 (Conclusión):立てた問題に解答を与える
序論では、これから何のテーマについて書くのか、現状と問題点について簡潔に取り上げます。
本論では、ポジティブ面・ネガティブ面やメリット・デメリットなどを相対的に立証し、解決案も提示します。
結論では、自分の意見を踏まえて、序論で取り上げた内容に対して総合的に結論付けます。
ライティングの練習にこちらの参考書を紹介します。
特にフォーマルな文章で使う接続詞や書き出しの定型文を勉強するのに役立ちました。
手紙やメール用のファーマルな文章、インフォーマルな文章が100~200単語程度で様々なシチュエーションを想定して書かれています。
良いところは、同じページに「場面の説明」「スペイン語のテキスト例」「日本語の翻訳」「テキスト内の主要な文の解説とその言い換え表現」「スペイン語の独特の表現や文法上の留意点」「スペインの文化や習慣の紹介」が書かれているので、スペイン語和訳、和文スペイン語訳の両方の翻訳の練習ができます。
DELE B2「スピーキング」の勉強方法
スピーキングは、独学で一番苦労すると思います。自分1人でスピーチをしても訂正できないこと、本番のイメージが沸かないことが難点です。
しかし、できる限りの準備をして試験に臨みたいので出題傾向を理解して、なるべく本番で困惑しないようにしましょう。
スピーキングの出題傾向は次の通りです。
TAREA 1 | 問題が起きている状況についてどう解決するか話す |
TAREA 2 | 写真についての説明と自分の経験や意見を話す |
TAREA 3 | テキストやアンケート結果などのグラフをテーマにしたインフォーマルな会話 |
スペイン語を話す能力の他に、仮定の状況をイメージする能力、データを分析する能力、そして何事に対しても自分の意見を持っていることが必要です。
普段から時事や統計データに触れていると、自分の意見の幅が広がってスピーチしやすくなります。
El Mundo/ Graficos オンライン新聞/グラフ
El Comercio/ Graficos オンライン新聞/グラフ
スピーチの練習をするときは、時間を測ること、録音することを忘れないでください。
それぞれの課題に時間が設定されているので、それに合わせてスピーチの構成を作る練習をしましょう。試験官とのやりとりも含まれているので、設定時間より少し短めでもいいです。
TAREA 1 | 6~7分 |
TAREA 2 | 5~6分 |
TAREA 3 | 3~4分 |
自分のスピーチを聞いてみると、自分では気づかない間違いや癖がわかります。日本人特有のRとLの発音の違い、SiがShiの発音になっていないかなどを意識して直していきましょう。また、変なところで文を区切っていないかもチェックしてください。
まとめ
DELE B2を独学で勉強する方法をまとめました。
私自身、ボリビアでDELE B2を受験したので教材を購入することができませんでした。インターネット上で試験についての情報を集めましたが、とても不便でした。
教材があるに越したことはないので、もし可能なら1冊で十分なので購入してもいいでしょう。
インスティトゥト・セルバンテス1階、スペイン語書籍専門書店 オンラインショップにてDELE B2の教材を購入することができます。
最後に、DELE B2を受験するにあたって、たとえ準備を十分にしたとしても不合格になってしまうかもしれません。ヘビーな試験で、語彙数も多いので自分の不得意なテーマにあたってしまうと不利になってしまいます。
しかし、勉強した分は無駄にはなりません。試験はあくまで1つの評価基準ですので、大切なのは常にスペイン語のスキルアップのために精進することです。